「井出くん!昨日もだけど本当にありがとう……。それと……ごめんね。」
感謝と同時に好意を向けつつ私に尽くしてくれた井出くんに頭を下げる。
あんなにしてくれたのに私は井出くんに応えられなかった……申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。
「井出……お前にたくさん世話になったな。感謝してる。」
「そう簡単に頭下げるなよお前ら。……水野が幸せそうで何よりってとこだ。」
井出くんてば本当は凄く繊細だけど男らしいんだよね。
こうなってる私たちを前にいつもと変わらなく接してくれるなんて……。
「これで借りは返したぞ、滝口。あの時は俺もお前に酷いことしたからな。」
「そんなこと気にしてたのか。お前って奴は本当に良い奴というか……バカというか。」
冬馬は相変わらずのトーンでそう言い切ると井出くんは「おい!」と言いつつ冬馬の首を絞め出した。
「おい!お前はやっぱりバカだ!バカ井出!」
「うるせえ!!この!この!」
ちょっと焦ったけどその必要はないみたい。
二人とも口は悪いけど顔は凄く楽しそうな笑顔なんだもん。
冬馬がこんなに人と仲良く戯れる事なんて無かった……良い友人が出来たみたいだね!
