再会した幼馴染に溺愛されています。


放課後になると先生から言い渡された場所に私は向かう。


無性に冬馬と話したい。


安心したいのかな私……


「遅かったな、ジュース奢れよ?」


息を切らしてある教室に入る私に冬馬は優しい口調のままそう言う。


この話し方や笑顔を私にしか向けてないと思うと自然と笑みが溢れる。


「冬馬……佐々木さんに告白されたんでしょ?」


「何だよもう噂になってるのか……」


私はとにかく安心がしたかった。
舞から聞いたことでも充分のはずだけど、やっぱり冬馬の口から聞きたい。


「振ったよ、俺あの人がどんな人かも知らないし……」


「めちゃくちゃ可愛い人じゃん……私なんかより」


嬉しいはずなのに素直になれない自分が恨めしい。
卑屈な事しか言えない私は最低だ……。


「そうか?お前の方が可愛いと思うけど」


「バカ!早く終わらせて帰ろうよ!!」


不意打ちにまともに受けた私は冬馬を直視できなかった。


辛くて面倒なはずの清掃作業なのに自然と手が動く。


ああ、私すごく安心したんだ……。