「おはよう、アキ。」
「うん、おはよう……!」
次の日、私は自宅近くまで迎えに来てくれた冬馬と挨拶を交わした。
今日から二人で登校するのだけどやっぱり恥ずかしい……。
もう正式な彼女になれたはずなのに、まだ実感が湧かない。
そのせいもあるのかな、冬馬と話すのもやっぱぎこちなくなる。
「……アキ緊張してるだろ?」
「やっぱ分かる?」
そんなに分かりやすいのかな。
何で冬馬は緊張の一つも見せずに涼しい顔で居られるの……。
「安心しろよ、もう誰も邪魔しないから俺とアキの世界だ。」
冬馬はそう言いながら手を伸ばす。
アニメの見過ぎだよ……。
私は右手をそっと伸ばすと冬馬の温もりが伝わってくる。
このまま登校するんだよね……!?
私は手を握ってから我に帰るとその疑問だけが浮かんだ。
「ちょっと待って、このまま学校行くなんてめっちゃ目立つじゃん!!」
みんなの視線に耐えれるかな?
終始俯いてないといけないよ……。
