再会した幼馴染に溺愛されています。


「これとこれは合わないかなあ……」


私は服が散乱した自室で鏡の前に立ち色々コーディネートを考えていた。


そもそもデートなんてした事が無くコーデに悩む。


「夏菜〜!これはどうよ?」


妹の夏菜は私と正反対でかなり目立つ女子で流行りのファッションなんかにも詳しい。


「お姉ちゃんがデートなんてね……」


夏菜はめんどくさそうに読んでたマンガを閉じて顔を向ける。


なんで家の中だと言うのに化粧をバッチリしてるんだろう……。


中学生のくせに。


「デートじゃないよ! ただ出かけるだけ!」


夏菜との会話は楽だ。
私がどんな嘘ついても自然と見抜いて察してくれるから。


「はいはい。……とりあえずお姉ちゃんの持ってる服で組み合わせるとなるとこれが限界かな」


夏菜は淡々と手を伸ばして結論を出した。


私なんか1時間以上も悩んでいたのに……。


「あとはいつものサンダルに合わせればおかしくはないかな」


でもここは妹の力無しでは乗り越えられない、大人しく従おう。