「ふーん、俺は別に他の女に興味もたねえけど」
「嘘ばっかり！キスした事は許すから、私じゃない方が良いから！」
これも強がりだ……。
本当に冬馬が他の女の子と付き合ったりしたらそれはそれで嫌だと思う。
けど、素直に言えないし実際他の女の子に勝つ自信はないから私は傷付かない為の保身に走るしか出来ない。
「そうだアキ、どっか行きたい場所ねーの？連れてってやるよ」
「へ？急に何？」
冬馬は会話の流れを完全に変えて来た。
予想外の質問に私は思わず舌を噛んだ。
「俺のせいでこんなめんどくさい事になったからお詫びだよ、そうだなあ……最終日の週末あたりにどっか行こうぜ」
「べ、別にいいけど……」
凄く嬉しいけど表に出すのは苦手だなあ。
「どこ行きたいか考えておけよ」
「私が考えるの！？」
「うん、俺女が行きたい場所とか詳しくねーから」
冬馬とならどこに行っても楽しめそうだけど。
「分かった……考えておくね」
我ながら不器用に返事をするけど心が踊ってる。
楽しみだなあ。
