やはり、男子のグループは、私の思った通りの人達だった。


そして、女子の中心のグループは、私たちだった。

中でも、私がリーダー的存在で、楽しい学校生活がはじまった。


正直、私は頭が良くない。

音楽以外は、本当に落ちこぼれ。

だからといって、肩身の狭い思いはしていない。むしろ、それをネタにして笑いあっていた。


早く大人になりたくて、私は高校に行くつもりは無かった。

周りを見れば、みんな勉強している。
来年は受験だもんね。

でも、その中に、私と同じようにアホみたいなことばかりする男子がいた。

その子は、私がクラス替えの時に、目を見張った男の子だ。


そして、その子と仲良くなるのに時間はかからなかった。


その子の名前は、真司という。だから私はしんちゃんと呼ぶようになった。


しんちゃんとは、本当に気が合う。

何なら女子のグループで話すより、しんちゃんと話してる方が多かったし、楽しかった。

決して、私のグループの仲が悪かった訳では無い。
ただ、みんな当然のように真面目に授業を受けている。

しんちゃんは、ノートも取らずにペン回しの練習をしている。


それは、私の真似だ。
私がずっと、器用にペンを回していたから、頑張って練習をしている。


コツン

コツン


何度も、ペンを落とすしんちゃんに目を向け、私はしんちゃんに見えるように、自分のペンをクルクル回し、ニターっと笑った。


しんちゃんは、少しムッとして、ひたすらペン回しの練習をしている。


「お前さー。俺のん見てバカにしてるやろ?」

「うん。こんな簡単な事もできやんの?おしえたろか?」


私は、しんちゃんに回し方を教えたが、一向に進歩は無かった。