私は男性に深く愛されたことが無かった。
 
 中学、高校と何度か告白されたけど、数ヶ月付き合ってみると、最後には振られた。

「理恵は頭が良くて可愛いけど……、なんか思ってたのと違う」

 だいたいそんな事を言われて、別れることになった。

 勝手に誤解して、勝手に言い寄って、勝手な事を言って離れて行く。
 
 男って、なんて身勝手なんだろう。
 私はそう思って、自然と異性とは距離を取るようになっていた。

 初めて身体を交わした相手は、同じ高校のサッカー部のエースだった。彼から猛アタックされて付き合い始めて、初めて彼に身体を開かされたけど、気が付いたら浮気をされていた。
 あれこれ言い訳をする彼に、私は「いいかげんにして」とだけ言って、自分から別れた。

 大学に上がる頃には、煩わしくなって、告白されても全てその場で断るようにしていた。

 私は多分、男性に幻滅していた。
 深く愛されない理由が、実は自分にあるとも気付かずに。

 そんな心の隙を、田村部長に見抜かれてしまったのかもしれない。

 部長はベッドの上で、強引に私の身体を開いて、私の知らなかったさまざまなことを、私の身体に刻みつけた。
 未知の感覚と身体の奥から湧き上がる疼きに、私の理性は完全に麻痺してしまって、私はただ、部長の行為にされるがままになっていた。

 そして私は、部長の欲求には全て応える、ただの愛人に成り果てていた。