「……どうしてノートを……?」

遥の問いかけに、自分はいつもイラストを描くのに使ってる机の上に置いてあるシャーペンを取りながら「……依頼なんでしょ?」と答えた。

「え?うん……」

遥に座るように促して、自分はシャーペンを小さなテーブルに置きながら床に座る。

「…………いつもは動画がネットに上げられてから、音楽を作り始めてるのに……」

自分が問いかけると、遥は「実は」と口を開いた。

「作詞作曲して欲しいって言って依頼が来てさ……音ゲーに追加したいんだって」

「……書き下ろしか……凄く有名になったもんね……遥。分かった……とりあえず、どんな感じの曲になる予定なの?」

自分が問いかけると、遥は「歌詞は、フルだとこんな感じだよ」と1枚の紙を見せる。

「……遥って、歌詞から作り始めるの?」

「いや、作曲から入る時もあるよ……どちらかって言ったら作曲から作り始める方が多いかな」

「へぇ……とりあえず、キャラデザだけでもしようかな……また詳しい話は、曲が完成してからにしようか」

「……それもそうか」

自分の言葉に、遥は頷いた。



あれから数年。

今日は、海外に行ってた遥と久しぶりに会う日。自分は待ち合わせ場所であるカフェの入口で、遥の作った曲を聴きながら待っていた。