その日からも、あの日の夜の帰り道ことが嘘だったみたいに日が過ぎていった。

あの見たことのない鵜飼くんは別人だったみたい。



「せんぱーい、お昼行きましょー!」


今だって、しっぽが見えるのかってくらいテンション高い。



「麻奈先輩って、晴亮と付き合ってたんですか?」


鵜飼くんの同期の女の子にそう聞かれたときは、ちょっとびっくりしちゃった。


性格はこんなだけど、顔はかっこいい……し、意外と人気なのかも。

とか思ってた時代もあったなーなんて、今更のように思い出す。



「先輩!今日は満月らしいですよ!」


楽しそうに笑う鵜飼くんを見てると、いろいろ言われても私まで楽しくなってしまうのだ。


鵜飼くんと話すようになってから、私は元気を貰ってるみたい。

そんな気がした。