「──で、その子が丁度しおちゃんと歳が近いから、名前を借りて侵入しましょ。別に難しい事は無いわ。ただ他に付き合っている人がいないか、人柄を簡単に見聞きしてくるだけでいいんだから」
うきうきと声を弾ませる母になる史織は内心で唸る。
どう考えてもややこしい話に巻き込まれている。
潜入捜査(?)なんて無理だし、浮気調査(?)なんてもっと自信がない。
でも……
「どうしようかな〜、しおちゃんが行かないんなら……そうだ、直樹に頼もうかしら? 直樹ならノリがいいから付き合ってくれそうな気がするのよね〜」
「だ、駄目! やる!」



