恥ずかしいを言い訳にするのは、何だか狡い気もする。朔埜が伝えてくれた気持ちに、史織もきちんと答えたかった。
どきどきと高鳴る胸を押さえながら、えいと首筋にキスをした。
「……っ?!」
「さ、朔埜さんが首にキスしたから。お返しです」
そのままちゅちゅと首に同じだけキスをして、ほっと朔埜を見上げる。
「どうですか?」
やりきった感満載である。
ただ朔埜の方は珍しく真っ赤になって……ふるふると震えているのは、どうした事か。
「え、と。あの……間違えましたか?」
驚きの声を上げれるのと、ぱたんと畳に背中がつくのとはほぼ同時だった。
「煽ったのは、お前やぞ」
「え……」
あ
と、戸惑っている間に。
結局──
五月まで待てなかった。
【おわり】
〜そして入籍へ〜
朔埜は三芳と水葉に叱られました。
最後までお付き合い頂きありがとうございます♪



