「クリスマスですね!」
「そうやな」

 カポンとなるししおどしの音を聞きながら、史織は三芳に習ったようにお茶を淹れた。そわそわと朔埜の様子を窺い見る。

「……悪くない」
「良かった」
 何でもないように口にする朔埜ににっこりと微笑んだ。
(不味いと不味いって言うからなあ。あれはあれで傷つくけど、今はレベルが上がってるみたいで嬉しいな〜)
 いつか美味しいって言わせたい。
 史織の密かな願望である。