京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜


「は、わわわわ……っ」

 わたわたと震える史織に、朔埜は満足そうに口の端を吊り上げている。
「な、な、な、何してるんですか!」
「誓いのキスやろ」
「誓いって。な、な、何を……っ、」

 ぺろりと何かを舐めとるように、自分の唇に舌を這わせる朔埜に目眩を起こしそうになる。

「確か……生涯これを愛し、病める時も健やかなる時も、とか」
「お、重いです!」
 平然としている朔埜にはツッコミしかない。
 結婚式じゃあるまいし!

「……さっき一緒になるって言ったやろ」
「そ、それは先々……そうなりたいという意味でして……」