「……そうなんですか。麻弥子ちゃんは、落ち込んでいませんか?」 「ええ、それは。大丈夫そうでしたよ?」 「なら良かったです」 そう言ってほっと息を吐くと昂良は少しだけ意外そうな顔をして、やはり嬉しそうに表情を緩める。 「良かった、俺の未来のお嫁さんは、とても優しい人のようだ」 「……」 え、と声も出せないまま昂良の顔を凝視してしまう。 「麻弥子さんは……うちの母と気が合わなそうだったんです。だから……」 「ち、ちょっと待って下さい!」