(戻ろう) 再びホールへ戻るべきかと躊躇うも、やはり朔埜が気になる。 (少し、様子を見るだけだから……) そう思い立ち振り返った矢先、すぐ目の前に人壁が出来ている事に気づき驚いた。 「わあっ」 「あっ、すみません。驚かせてしまって」 びくりと後ろに飛びすさり、改めて顔を上げる。 「……あ」 「こんにちは」 謝るような顔で挨拶を受ける。 そこには朔埜の弟、四ノ宮 昂良が佇んでいた。