「府警が来てくれたみたいですから、もう大丈夫でしょう」 遠くサイレンの音に耳を傾け、乃々夏は呟いた。 「……客商売としては大事にせんで欲しいんやけどな」 「ふふ、それは勿論。四ノ宮を表に立たせたりしませんよ」 「乃々夏ちゃん、いや東郷警部補、立派になったの〜」 「恐れ入ります」 二人の様子を窺いながら、辻口は一人、安堵の息を吐いた。