──ダサい、悪者の台詞そのままである。 そんな思いを噛み締めていると、両脇からガシリと腕を掴まれ動きを牽制された。 「さあさ、もう行こう。いい加減冷えてきちゃったから、あったまろうぜ〜」 (気持ち悪い……でも、時間稼ぎをしないと……) 「離して!」 その言葉に史織は首を左右に振り抵抗する。 「そんな固くならなくても、優しくしてあげるからさ〜」 断固としてお断りである。 ぎっと相手を睨みつけ、思いつく限りこ悪態を吐き出そうと口を開く。 「ふざけんな」