とぼとぼとどれくらい歩いたんだろう


周りは怪訝な目で見てくる。


今の私は余程滑稽だろう



―ドンッ―

―バシャッ-


「すみません、大丈夫ですか?」


「、、、」


「立てますか?」


差し出された手を、なんの躊躇いもなく掴む。

ぶつかって謝れば普通はみんな過ぎていく。


わざわざ手を差し出すなんて、私はどれだけ惨めに見えたんだろうか


「うちの事務所、すぐそこなので。濡れたままでは風邪を引きますから。」


「、、、すみません」


顔なんか見る余裕もなく、ただ俯いてあとを付いて行った。


なんの事務所か、繁華街の一等地。



危ない関連の事務所だったりして、、、