だ、大丈夫かな……そう思った数秒後。

ガタンと、いきなりイスから立ち上がった蓮くん。


「俺、もう部屋戻るから」

この重〜い雰囲気を振り払うかのように、足早に出ていこうとするのを、京ちゃんがサッと呼び止めた。


「おい」


「何……」


「ちょっと話がある」

食堂の入り口付近で、何やら不穏な空気を醸し出している2人。


「……七瀬に、本ッッ当に! 何かしたりしてないだろうな?」

「はぁ、当たり前だろ。俺たちはただの……同居人だから」

「ふぅ〜ん。同居人、ねぇ」

ごにょごにょ話しているようだけど、ここからじゃ微妙な音量で、ほとんど聞き取れない。




かと思えば。

「七瀬!」


「ん? ど、どうしたの」

急に大きな声で、私に呼びかけてきた京ちゃん。

次の瞬間飛び出したのは、衝撃の一言だった。





「……俺」



「今日からここでお世話になるからさ」