「三つ一気につけるよ?」 「気をつけてね」 「おう」 等間隔に並べられた三つの花火。 筒状のそれから伸びた火薬に、彼がひとつずつ点火していく。 手早くささっと火を点けたあと、原くんは私の方に下がってきて、ぎゅっと手を握られた。 原くん、手繋ぐの好きだなあ。 そう思った瞬間、真ん中の花火がぴゅーんと音を立てて空へと飛んで行った。 小さいけど眩しい光が、放物線を描いて夜空を駆けていく。 両脇のふたつはロケット式でなく、噴出するタイプの花火だったみたいで、光のシャワーを降り注がせていた。