だから今度は、私がきみを救う番




私はお礼を言って、りんご飴をカリっと齧った。

甘くて、少し硬くて、恋の味がする。



恋の味がどんななのか分からないけど、原くんに買ってもらったりんご飴は『恋の味』として認定されてしまった。



「じゃ、次かき氷探そっか」



花火の時間まではまだ時間がある。

原くんの提案に乗り、かき氷の屋台を探した。



会場はかなり人が増えてきていて、手を繋いでいないとはぐれそうになる。

しっかりと手を繋いだまま、会場の中を歩いた。



次第に空のオレンジが消えていき、明るさを残した夏の夜空が近づいてくる。

原くんといると、そんな些細な景色でさえも綺麗だな、と思った。