だから今度は、私がきみを救う番




会計をきっちり割り勘で済ませると、私たちは学校の方向を目指した。



土手道を進み、小さな橋のところから右に進むと学校がある。

原くんの住んでいる場所は、裏門から駅の方へと進んだ辺りだ。



「原くんちって遠いの?」

「徒歩区域だと一番遠いかな。駅の向こう側」

「駅の向こう側って私初めてだ」



私たちの住む街はさほど大きくないので、駅の改札は南側のみに存在する。

だから必然的に駅を使う時は南側にしか行かず、北側……、つまり駅の裏側には行く機会がなかった。



しばらく道なりに歩いて、小さな駅舎のそばの踏切を渡る。

山がそばに迫っているけれど、ぽつぽつと住宅が建っていて、新しい住宅もあった。



細い路地の一番突き当たり、木造の二階建ての家の前で原くんは足を止めた。



「着いた」