「あそこはタッくんって先輩の家なんだけど、親いねーの。 月に一回ふらっと帰ってきて、金だけ置いてまたどっか行っちゃうんだって。 ここにいるヤツらさ、みんなそういう家庭の子ばかり。 そういうヤツらの居場所なわけ。 ……前に言ったでしょ。居場所を求めて群がるって」 原くんが、金髪をかき上げる。 一瞬空が雲って、レモンパイに乗っかったクリームみたいな色の金髪が、重く揺れた。 原くんの瞳は、どこか闇を見つめているような、そんな瞳だ。 「高屋さ、自分が世界で一番可哀想だとか思ってない?」