「高屋さ、体調壊してんのって、もしかして胃?」
「え? うん。心因性のものだろうって、お医者さんが」
「そっか」
原くんはふうっと息を吐くと、ぐんっと伸びをした。
今日は気温が高いけれど、橋の下はちょうど陰になっていて風が気持ちいい。
急に黙った原くんの顔を見つめていると、手が伸びてきて、左の頬をぎゅっとつねられた。
「ひゃ」
「高屋のほっぺ、もちもち」
いきなりそんなことをされたものだから、身体がかあっと熱くなる。
いま、汗でべたついてないかな。
心配になったけど、汗まで蒸発してしまいそうだな、と思った。

