だから今度は、私がきみを救う番

このノートはあさがお五組の担任である山中先生と交わされるものだから、細かくは書いていないけれど。

ぽつりぽつりと書かれた短文は、お兄さんについて書かれているものがとても多い。



六月七日

『学校に来られるようになったのは、ひとりじゃないからかも。もうひとり似たようなのがいて心強い』



家族以外のことを書かれたページに、ふと手をとめる。

似たようなの。

これって、私のことだろうか。



ねぇ、原くん。

私も同じ気持ちだったよ。

きみとふたりだったから、学校に来られたの。

きみという仲間がいたから、あさがお学級で授業を受けられたんだよ。



心の中が、ふんわりと温かいもので満たされていくのが分かる。

彼も同じ気持ちでいてくれたことが、こんなにも嬉しい。



けれども同時に、今彼がここにいないことを実感して、悲しみが襲ってくるのを感じた。

そして、何も出来なかった無力さに包まれる。

その気持ちを押し込めて、続きを読もうと、ぱらぱらとノートを捲っていった。