だから今度は、私がきみを救う番




『非常に大きな台風六号は、十一日未明に鹿児島県大隅半島付近に上陸し、北上を続けています。

現在は△△県〇〇市付近を通過中とみられ、このまま列島を縦断する予想です。

では、現場からどうぞ』



お母さんが帰ってから二日が経った。

テレビのニュースでは、ヘルメットを装着したお兄さんが大雨の中で状況を伝えている。



台風は間もなく私たちの住む街にやってくるらしく、今日はお父さんの仕事が休みになり、

おばあちゃんもデイサービスが休みになったので、家族そろってうちにいた。



「雨、凄いね」



お姉ちゃんがそう言いながら、アイスティーをひと口飲んだ。




お姉ちゃんは昨日の夜に帰ってきた。

お父さんからのメールで、お母さんが来ていたことを知ったらしい。

一発ぶん殴ってやろうと思って帰ってきたらしいけど、その時にはもうお母さんはいなかった。



お父さんとお姉ちゃんは、今回は言い合いはしていない。

きっとどこかで、ふたりで話したんだと思う。