「これ、お前の?」
そう言って連絡ノートを差し出したきみの、金色になびく髪、柔らかな笑顔。
初夏の風がふわっと吹いて、もう一度きみの金色が揺れた。
「よ、読んだ……?」
私は一度こくりと頷いて、彼の目を見る。
原くんはまっすぐに私を見つめて、ふっと笑った。
ノートを読まれるなんて、イヤでしょうがないはずなのに。
どうしてだか私の心はふわふわと浮足立って、それから温かい何かに包まれるような感覚になる。
「高屋とは、運命共同体になれそうな気がする」
そう言って爽やかに笑うきみは、どこか寂しそうで。
何かを求めるような、子犬みたいな瞳を瞬かせて。
それでもどこか希望を持ったような顔をして、形の整った唇を開いた。

