だから今度は、私がきみを救う番

お母さんは眉尻を下げて、「そっか」と小さく呟いた。

そして微かな笑みを見せて、続ける。



「亜季が来たくなったら、いつでも来なさいよ?」

「うん」

「何かあったら、いつでも電話ちょうだい」

「うん」



お母さんはメモのようなものを机に置くと、麦茶を飲み干して、鞄を持って立ち上がった。

置かれたメモには、電話番号と住所が書かれている。



「じゃあ、お母さん帰るね」

「うん。台風来てるから、気をつけてね」



お母さんは私に手を振って、帰っていった。

見送る時、台風の風がさっきよりずっと強くなっていて、私の髪を揺らした。



本当はね、ちょっと迷ったんだ。

迎えに来たって言ってくれた時、とても嬉しかった。

戸惑う気持ちの方が強かったけど、嬉しくて嬉しくて、涙がとまらなかったんだよ。



でもね、私はここで今を受け入れるよ。



ここには原くんがいるから、大丈夫。


ずっと彼と一緒にいるって決めたんだ。


原くんがいれば、強く生きていける。


強く生きられるから。