だから今度は、私がきみを救う番






一年前。



中学一年生だった私は、目立つわけでもおとなしすぎるわけでもなく、無難に日々を過ごしていた。

原くんがバレー部を辞めた中一の冬、私は所属していたテニス部を辞めた。

理由は、我が家が父子家庭になったことにある。



ある日突然、母親が家を出ていったのだ。

おまけに、高齢の祖母が怪我をして、寝たきりになってしまった。

姉と交代で家事と介護を担うため、私は部活を辞めることになった。