「美桜ちゃんしかいないんだよ」



 信じてくれる? と私を見つめてくる。そんな熱い視線を向けられて信じられないわけがない。

私は小さく頷いてポツリと呟いた。



「疑ってごめんなさい……」



 柊は優しく私の頭を撫でてくる。その手がちょっと気持ちいい。



「いいんだよ。むしろもっと嫉妬して!」


「はい?」


「僕は美桜ちゃんに嫉妬されたいんだ」



 なんだか柊がいつも通りすぎて、思わずガックリと力が抜けてしまう。せっかくいい雰囲気だったのに、台無し感が半端ない。


 だけど、そんな柊を見て私はとても安心した。