「草介、また告白?」
「…うっせ」
「早く帰ろー」
教室に戻ると、愛菜が待ちくたびれた顔をして待っていた。
愛菜は、俺が誰かに告白されても何も言わない。
怒ったこともなければ、よかったねと言われたこともない。
無反応だ。
「肉まんー」
「なにが?」
「食べたいのっ!」
こうして愛菜と一緒に帰るのは、もうずっとしていること。
お互い一緒に帰ろうと約束したわけではない。
だけど、別々に帰ろうと言ったこともない。
いつの間にかこれが普通になっていた。
「俺ピザまん」
「あ、半分こしよ!」
いつか愛菜に彼氏が出来たら、きっと一緒に帰ることも、一緒に登校することもなくなるんだと思う。
そんなのわかってる。
だけど、10年以上何も言えないでいる俺は、相当のアホだ。
「陵介にも肉まん買ってあげよっと」
「俺はピザまん」
「自分で買いなよ」

