しかし、同じクラスの人気者の高藤財閥の御曹司、高藤歩夢(あゆむ)が、それをどこかで知り、お父様にお願いし、父の会社に寄付をしてくれたおかげで、倒産はま逃れたのだ。

高藤くんは、優しくて、明るく、みんなから好かれている。しかも、イケメン御曹司。言うことなしだと思っていた。
 高藤くんを呼び出した。
「本当にありがとう。おかげで、お父さんの会社はなんとかなりそうだし、私も、学校辞めなくて済みそう。ありがとう。」
「いいよ。全然。困ってる人を助けるのは当たり前。」
「ありがとう。」

高藤くんの表情が変わった。
「その代わり、俺と付き合え。」
「え?」
「イヤとは言わせない。寄付してやって、おやじさんの会社倒産しなかったんだろ?
じゃあ、俺と付き合うくらいいいだろ?」
いつもの高藤くんとは違った。怖かった。
断ったら、父の会社は倒産間違えなかった。
「はい。」
「よろしい。」
頭をポンポンされた。

高藤くんの表情が戻った。
「じゃあ、よろしくね。藤川さん。」
ニコッととされたが、恐怖しかなかった。

高藤くんがわからなくなった。