珈琲と花の香りの君




「はぁーっ。すっげぇ、緊張したわー!!」



マンションの玄関ホールまで2人に見送られて、やっと緊張から解放された、俺。(背中に柳井の視線が刺さりっぱなしだったが…。)



「お疲れさまです。ありがとうございました。」


珠利ちゃんのねぎらいの言葉に、微笑む。



時刻は既に夕刻で、オレンジの光が珠利ちゃんを優しく照らしている。




どちらともなく、握った右手と左手は、きっと一瞬、偶然に触れたからだ。



強く指を絡めれば、折れてしまいそうな細さにたじろいだ。