珈琲と花の香りの君




珠利ちゃんのアパートに着いて、玄関先に突っ立ったまま髪をタオルで拭かれている俺。



タオルからは、珠利ちゃんの花の香りが微かにしている。



白く細い両腕をめいいっぱい伸ばして、懸命に髪を拭いてくれる珠利ちゃん。



「珠利ちゃん。俺ならもう大丈夫だから、着替えた方がいいよ。」



前髪が雨に濡れてぺったりおでこに張り付いている。



元から色が白い珠利ちゃん。今は、寒さのせいかいっそう白い顔に、くちびるの赤さが際立っていて、艶めかしい。