珈琲と花の香りの君




「紅湖さん。傘、貸してくれませんか?」



珠利ちゃんの言葉に、


「あぁ。それだったら、いいものがあるよ。」



答えたのはなぜか柳井の方で。



玄関に向かった柳井が差し出したのは、見覚えがある傘だった。



「返さなくていいから。なぁ、及川?」



って…!!目が、怖いっす…。



その傘は、俺が以前清水に貸した傘で。



『返さなくていいから』と、半ば押し付けるように渡した傘だ。