「…及川さん、あた…し…」 消え入りそうな珠利ちゃんの声は、深く俺に染み込んだ。 「…及川さん。…して…。」 またも呟く珠利ちゃん。 その声は震えていて、痛々しいほどだ。 「…おいかわさ…」 言いかけた珠利ちゃんのくちびるを優しく塞いだ。 「珠利ちゃん。今日はこのまま寝よう。」 言った俺に、ちいさな子どものように首を横に振って、いやいやをする。 どうして君は、俺の心を揺さぶるんだろう。 そんなちいさな仕草のひとつひとつが、俺を君から離れなくさせる。