珈琲と花の香りの君




「ね、ね。及川さん。あたしにもつけて!」



珠利ちゃんが俺の目の前に、自分の左手薬指を差し出した。



珠利ちゃんを抱き締めながら、起き上がってそっとその細い指先に指を這わせて、薬指にピンクの指輪をはめた。



透明感のあるピンクが、珠利ちゃんに良く似合っている。



「…及川さん!!」



もう一度抱きついてきた珠利ちゃんと共に、またも倒れ込んだ。



珠利ちゃんの左手と自分の左手を合わせて、天井のライトに照らした。



ガラスが透けて見えて、とても綺麗だ―。