珈琲と花の香りの君




「…及川さん、これ…」


「いや。昼間、珠利ちゃんが言ってたから。何か俺とお揃いのものが欲しいって。今は、そんな安物しか見つけられなかったけど、帰ったらちゃんとしたのを買いにいこうよ。もちろん、お揃いで。」



あんなに可愛いことを言われたら、すぐにでもあげたくなってしまったのだ。



たった五百円の安物だけれど、珠利ちゃんにはピンク、俺は黒を選んだ。



この辺りはガラス細工が有名なところで、ガラスだけで出来た細い飾りのない指輪を、さっきの土産物屋で見つけた俺。