「花音ちゃん!」 ノゾムくんの両手が、私の肩を持つ。 ぎゅっと力を込められて、私の身体はまた熱くなった。 男の子に触れられていると思うだけで、涙が緊張へと変わっていく。 頬を伝う雫は、一瞬のうちに蒸発して空に昇っていった。 「花音ちゃん、笑おう!」 ノゾムくんはそう叫んで、続けた。 「花音ちゃんって、いつも笑顔なんだよ。 ドジしちゃうかもしれないけど、泣いちゃう時もあるかもしれないけど、それでもすぐ笑顔に戻るでしょ? 俺はいつもその笑顔に癒されて、元気を貰ってるんだよ」