Hello,僕の初恋







学校から駅裏までつながる長い長い階段の途中、踊り場のように広くなっている場所から入り込むと、小さな公園になっている。

夏場は港から打ち上げられる花火が見えるし、冬場はイルミネーションが設置されてちょっとした観光スポットになっている場所だ。



私がここに着いた時にはまだイルミネーションの点灯時間にはなっていなくって、

オレンジに光る海と、同じくオレンジに染まる街並みがただ広がっているのが見えた。



街を一望できるその場所のフェンスにもたれかかり、ぐすんと鼻を鳴らす。



ここに来るまでに涙はだいぶ乾いてしまったけれど、気を抜くとぽろぽろと溢れ出てくるから困ったものだ。



どうしてこう泣き虫なんだろう。

泣くのは、せめて家に帰って、ゆっくりお風呂に浸かってからにしておきたいのに。



私はいつもこう。



ドジですぐ人に迷惑をかけるし、『天然』だって言われるのも本当は好きじゃない。

わざとしてるなんて言われたのも、一度や二度じゃなかった。



これまでは直ちゃんや友達が守ってくれたけど、大人になったらどうするんだろう。

自分で自分が心配になってくる。