私がそういうと、直ちゃんはホッとした様子になって、それからますます顔を赤らめた。
心なしか声も小さい気がする。
機械から流れてくるテーマソングの歌声に、かき消されてしまいそうなほどに。
「……よかった。バンド、いっしょに観にきてほしいの。彼が……、ショウがギター弾くから」
「わぁ、彼氏出るんだ! うん、いいよ」
私の声に、クラスの何人かがこちらを振り返る。
しまった、ちょっと声が大きすぎたかもしれない。
私は彼氏がいないから分からないけれど、こういう話は大声で話すもんじゃないって、お姉ちゃんが言っていたっけ。

