最初の三十分は、目の前にあるものを食べて頑張って耐えた。
けれども合コンを彷彿とさせるパーティー感にどうしても馴染めず、私はまた泣きそうになった。
どうしてこう、泣き虫なのだろう。
大学生になったら、直ちゃんをはじめとした友達はみんないなくなるかもしれない。
それなのに、同じ高校のメンバーで打ち上げをするというだけのこの空間に、どうして馴染めないのだろう。
どうしてすぐ泣きそうになるんだろう。
よし、帰ろう。
そう決めたのは時計が七時半を回った頃だった。
会費は先に渡しているし、トイレにでも行くふりをしてこっそり出ていけばいいだろう。
直ちゃんに一本メッセージを送っておけば問題ないはずだ。
そうして私はそろりと部屋を抜け出し、夜の街へと脱出した。
カラオケの自動ドアをくぐると、冷たい風がさあっと身体を包むのが分かった。
お姉ちゃんから履かされたブーツの上から、青白くなった足が覗く。
今日の朝よりもっと青白い。
夜中はもっと寒くなるのだろう。
タイツを履いてくれば良かったな、と思った。

