当たり前のように回ってきた質問に、私は少し戸惑った。



最近、楽しいなと思うことが出来た。

それは以前から得意としてたもので、自分が好きだなあって思うこと。

それが将来と繋がるなんて思ってなかったけど、そういうのもいいなあって、ノゾムくんを見ていたら自然と考えるようになった。



「私ね、これまで全然将来について考えてなかったけど……。文学部に行きたいなぁって、漠然と思うようになったんだぁ」

「お、作詞の影響ですか?」



アヤが目を丸くして問う。



「うん。作詞だったり、文を書いたり、そういう仕事に就けたら楽しいだろうなって」



私がにかっと笑ってそう言うと、アヤと美羽はますます目を見開いた。

直ちゃんは教え子を見守る教師のような、落ち着いた表情だ。



「ひぇー! ノンにおいて行かれてるぅ!」

「うちら、やばくね!?」



美羽とアヤが取り乱すので、また四人でお腹を抱えて笑った。



きっとこんなかけがえのない時間が、宝物になっていくんだろうな。

もうすぐ卒業していくアツキ先輩とミカ先輩のことを思いながら、今を大事にしようと強く思った瞬間だった。