ライトが消えた時にはもう会場の左の方にいて、何が何だか分からなかった。
始まる前から、違う意味で泣きそうだった。
直ちゃんはおろか、最前列中央にいる美羽の姿すら確認できなくて、
どうにか両足をついた会場の左側、前から三列目くらいの位置で、私は背伸びをした。
どうしてこうなってしまうんだろう。
直ちゃんが一緒にいないとドジばかりするくせに、一緒にいてもこのザマだ。
涙がじわりと浮かびあがってくる。
この人混みでは、もう外に出ることもできない。
直ちゃんもアヤもしっかりしてるから、きっと二人ははぐれずにいるだろう。
どうして私だけ、いつもこうなるのかなぁ。

