Hello,僕の初恋






私という人間は、何か問題を起こすように作られているのだろうか。

そう思ったことは一度や二度じゃないけれど、密かに楽しみにしていたライブの直前にまで事件を起こすなんて、我ながら呆れてしまう。



「直ちゃん、アヤ~! どこに行っちゃったの~?」



体育館の隅で、私は半べそをかいていた。



それはライブの開始時刻一〇分前のこと。

直ちゃんの彼、ショウくんが担当するギターの立ち位置の前に、私たちは場所を確保したはずだった。



いつもより髪を強めに巻いたアヤと、そのアヤから手の甲に『ショウ』と落書きされた直ちゃん、そして私の三人でその位置にいたはずだった。

美羽は最前列の中央を陣取っていた。