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帰りの車の中は賑やかだった。
ショウくんが言うに、
「なかなか降りてこねーから、変なことしてんじゃねーかと思って見に行ったらふたりで爆笑しててウケた」
だそうだ。
お姉さんも笑っていた。
「ノゾムが変なことしてきたら殴っていいからね。ね、花音ちゃんって、ノゾムの彼女なんでしょ?」
なんて、爆弾発言ならぬ爆弾質問が降ってきて、私はゴホゴホと咳き込んだ。
「彼女!? いや、まだ……彼女じゃないですっ」
私がそう言うと、ショウくんが呆れた顔で言った。
「告られたんじゃなかったの?」
「あっ、返事するの、忘れてた!」
「何のためにふたりきりにしたんだよ」
ショウくんは完全に呆れきっていて、お姉さんは運転席で爆笑している。
ドリンクホルダーに置かれたコーヒーを一口飲んだお姉さんは、「あはは、今度また連れてきてあげるよ」と笑った。
次の休みはお姉さんの成人式があるそうで、その次の週にまたお見舞いに連れてってもらえることになった。
アツキ先輩たちも誘おうかって話になったけど、軽自動車は四人しか乗れないからミカ先輩だけ誘おうってことになって、それがおかしくて爆笑した。

