「じゃ、私は車で待ってるからね。ショウくん、受付で私の名前書くのよー?」
「わーった。あざっす」
「ありがとうございます……」
ショウくんについて、病院の正面玄関から中へと入る。
私にとっては初めて来る場所なのでわけが分からず、ショウくんの後ろをついて行った。
エレベーターで五階に上がり、降りたところを右に進む。
『外科病棟』と書かれたフロアの、ナースステーションらしき場所に着くと、ショウくんは足を止めた。
「面会なんですけど。曽根崎望の、姉といとこです」
騙されているとも知らない看護師さんが、「こちらにお名前をご記入お願いします」と微笑む。
ショウくんはクールな表情のまま、お姉さんの名前と自分の名前を書いていた。
続柄・姉、いとこって、嘘ばっかり。
でもその嘘のおかげで、私はこれから彼に会うことが出来る。
名前を書き終えると、看護師さんのひとりが病室まで案内してくれた。
505号と書かれた部屋番号の下に、『曽根崎望』と彼の名が貼られている。
どうやら個室らしく、そこには彼の名前しかなかった。

