一月六日。天気は晴れ。 あの日と違って、風は強くない。 きっと海も穏やかなんだろう。 うちから一歩踏み出すと、数軒先の直ちゃんちのベランダから、 「行ってらっしゃーい!」と手を振る親友の姿が見えた。 どうやらショウくんをここに導いたのは彼女らしい。 「ありがとう!」 私は直ちゃんに手を振り、ショウくんといっしょに駅の方へと向かって歩きはじめた。 ノゾムくんがどうか、少しでも元気な姿でありますように。 そう願いながら、コンクリートを踏みしめた。