その夜、私は逃げ出した。 帰り道を全速力で駆け抜けた。恋のチャンスに、自分から背を向けたのだ。 うそ、どうして逃げちゃうの。 自分で自分に問いかけるけれど、身体は思ったよりも心に順応で、私の『不安』の方に味方する。 頭の中では、私が作詞した『Hello,僕の初恋』がずっと鳴り響いていた。