Hello,僕の初恋




「あ、始まるね」



隣でアヤがそう言うのと同時に、会場がしんと静まり返った。



開始一分前のアナウンスが流れてからは、もうドキドキだった。

じゅー、きゅー。はーち。

文化祭の時と同じように、カウントダウンの声がきこえる。



今回は私も、最初から声を張り上げた。
 
ゼロ、を言い終わると同時に、緞帳が開いていく。

ステージは暗いままだ。



数秒経って、アツキ先輩にパッと照明がともる。

私はただノゾムくんの方を、まっすぐに見ていた。



「今日は俺たちのライブを見に来てくれて本当にありがとう。今日は新曲を披露します。聞いて下さい! 『Hello,僕の初恋』!」



アツキ先輩がそう叫ぶのと同時に、ステージ全体を照明が照らす。

タンタンとドラムの音が聞こえて、一気に曲が駆けだした。

ギターが走り、ベースが弾けて、ドラムが躍る。



そしてこれからメロディーに乗っかるのは、私が作った私だけの歌詞。

胸の奥が熱くなって、泣いてしまいそうだ。



アツキ先輩が、マイクに音を乗せる。